民法の今と昔

今回は、どうして遺言が必要なのかを、今と昔の「民法」という法律の変化と関連してお話しします。
「民法」は、売買や家族関係・相続など我々の身近な法律関係について規定しています。
遺言についても、相続関係に含まれますので、民法に規定があります。

戦前の民法は、家制度を基本としていましたので、「家督相続」という相続制度をとっていました。
家長が死亡したり隠居したりすれば跡継ぎ(長男など)が家長となりすべての財産を自動的に相続することになります。そうすると、相続人間で「財産をどのような分けるか」といった「遺産分割協議」をする必要がありません。
同じように遺言を残す必要も非常に小さいといえるでしょう。

しかし、戦後になって、法律上は家長制度はなくなり、個人が平等である考え方に変わり、民法もその考え方に従って大幅に変更されました。
夫が亡くなったとき、妻や子供が相続人となり、子供の間では原則として権利は平等となりました。
そこで、財産を分けるときには、相続人全員の合意が必要となったのです。
昔に比べると土地の価値が上がり、人々の権利意識が高くなり、法定相続人が日本国中や外国にまでいる可能性のある現代においては、ますます遺言の必要性は高まっていると思います。